プライマリーケアの組織であるOne Medicalは、およそ39億ドルと評価される取引でAmazonによって買収される予定です。
Amazonは、プライマリーケアのワン・メディカルを約39億ドルで買収し、小売業者がヘルスケアサービスに進出することを明らかにした。
シアトルに本拠を置く巨大eコマース企業は木曜日に、One Medicalを1株18ドルで現金取引すると発表した。2017年のホールフーズ買収（137億ドル）、2022年上旬完了したハリウッドスタジオMGMの買収（85億ドル）に続き、アマゾンにとって最大の買収の1つだ。
サンフランシスコに本社を置く1Life Healthcare, Incを親会社とするOne Medicalは、対面診療だけでなくバーチャルケアも提供する会員制のサービスです。また、8,000社以上の企業と提携し、従業員に同社の医療給付を提供している。
One Medicalの第1四半期決算報告書によると、3月時点で会員数は約76万7000人、25の市場に188の診療所を有しており、売上高は2億5410万ドルだったものの、9090万ドルの純損失を計上していることも明らかになった。木曜日に発表された買収総額には、One Medicalの負債も含まれています。
Amazon Health Servicesの上級副社長であるNeil Lindsay氏は、この買収は、予約や薬局に行くといったヘルスケアの「体験」を再発明するためのものだと声明で述べている。
「私たちは、簡単にできるはずのことを簡単にするために発明するのが大好きです。私たちは、今後数年間でヘルスケア体験を劇的に改善するのに役立つ企業の1つになりたいと考えています」とLindsay氏は述べました。
全体として、遠隔医療やバーチャルヘルスケアへの訪問に対する消費者の需要は、Covid-19の大流行時に爆発的に増加しました。雇用主や保険会社などの医療費支払者も、患者のケアへのアクセスを改善し、患者が自分の健康に気を配り、定期的に医師の診察を受け、処方箋を受け取るようにすることに、より重点を置くようになってきているのです。
医療費はここ数年、賃金やインフレ率を上回るペースで上昇しており、保険を提供する雇用主にとって大きな出費となっています。雇用主や保険会社は、人々を定期的なケアにつなげることで、高額な入院を防いだり、糖尿病などの慢性疾患が大きな問題に発展するのを防いだりできると考えているのです。
アマゾンにとって、今回の買収は医療サービスへの進出を深めるものであり、同社が破壊しようとする最新の業界である。2018年には、オンライン薬局のPillPackを7億5000万ドルで買収した後、顧客が薬や処方箋の補充を注文すると、数日後に玄関まで届けてくれる独自のオンラインドラッグストアを開設している。そして昨年、全国の雇用者に遠隔医療プログラム「Amazon Care」の提供を開始した。
GlobalData Retailのマネージングディレクター、Neil Saunders氏は、アマゾンがヘルスケア分野での足跡を広げているのは当然のことだと言う。同社の小売事業とクラウドコンピューティング事業は成熟しつつあり、新たな成長機会を見出そうとしているのだと、サンダース氏は指摘する。複雑だが非常に大きな利益を生むヘルスケアは、魅力的な選択肢だ。しかし、大きな成功を収めることは必ずしも簡単ではありません。
Saunders氏は声明の中で、「アマゾンが限界集落を少しばかり揺さぶる以上のことをするには、極めて懸命に努力し、極めて革新的でなければならないだろう」と述べた。「過去の事例を見る限り、アマゾンが実際にこれを達成できるかどうかは、まだ判断がつかない。アマゾンはオンライン薬局の分野では一定の成功を収めたが、この市場に革命を起こしたわけではない。また、同社史上最大の取引であるホールフーズの買収も、大きな破壊につながりませんでした。"
今回の買収は、アマゾンをはじめとする大手テック企業が、その市場力をめぐって議員からの監視の目にさらされる中で行われた。木曜日に同社が発表した直後、批評家たちは、プライバシーを危険にさらすとして、米国の規制当局にこの買収を阻止するよう求めた。
「アマゾンのワン・メディカル買収は、世界最大の企業のビジネスモデルにおける恐ろしい新段階の最新ショットだ」と、より厳しいAntitrust規制を提唱する団体、オープンマーケッツ研究所のバリー・リン事務局長は述べた。「この取引によって、アマゾンは個人の最も親密な個人情報を収集する能力を拡大し、これまで以上に侵入的な方法で人々を追跡し、標的とし、操作し、搾取するようになるだろう」と述べた。
パンデミックの際、One Medical社はCovid-19ワクチンに関するガイドラインを無視したとの報告を受け、議会の調査に直面した。この調査は12月に、同社が「希少なコロナウイルスワクチンを入手できることを利用して、自社のビジネス利益を促進し」、ワクチン希望者に同社の会員権を購入するよう働きかけていたと結論づけた。また、同社とその従業員は、家族や友人のワクチン接種を優先していたとも述べている。
午後の取引で、1Life Healthcareの株価は69％急騰して17.17ドルとなった。アマゾンは1％弱のプラスで123.75ドル。
Jeff Bezos氏が退任したあとも、大きな掛けを積極的に進める姿勢はさすがであると思い、今後もAmazonは進化し続けるのであろうと感じた。
Original 記事：https://www.theguardian.com/technology/2022/jul/21/amazon-buys-medical-provider-one-medical
